【事例21】忘れがちな手続き

相談内容

昨年の暮れ、Aさんから、Aさんの妹さんの訃報のハガキが届きました。
Aさんとは、6年前にAさんのお姉さんの相続手続きを依頼されてからのお付き合いです。
Aさんへお悔やみの連絡を入れた所、『「遺言書」があり、センターへ手続きの支援を依頼する』意向があるとの事。なにしろ、お姉さんの相続手続きの時に、代襲相続人や認知の子を含めた法定相続人8人の間で、分割協議に大変苦労された為、その時既に闘病中だった妹さんに、遺言書作成を勧め「公正証書遺言」を作成していたのです。その「公正証書遺言」には、Aさんが遺言執行者として指定されており、記載されていた財産の継承手続きはスムーズに手続きができました。
ところが、既に妹さんへ支給が始まっていた「年金共済契約」の死亡給付金の受取人が、6年前に亡くなったお姉さんの名義のままだったことが判明しました。Aさんは、お姉さんの相続手続きの時のように、また、相続人間で大変な思いをするのかと、心配されていました。

解説

年金共済契約の死亡給付金の払戻には、受取人になっている、既にお亡くなりになったお姉さまの相続人全員の同意が必要となります。
Aさんは、年金共済金死亡給付金の継承分割を法定割合にて行いたい旨を含めた協力依頼文を、「指定代表相続人(Aさんを指定)届」への署名捺印と「印鑑証明書」(1通)の依頼とともに、お姉さまの相続人全員へ送りました。
その後、今回は何の問題もなく、全員からの同意の返事をもらうことができ、死亡給付金の支払いを無事受けることができました。

ポイント!

今回は、忘れがちな手続きや、確認することを漏らしてしまいがちなものをご案内します。

●私的年金の死亡給付金の受取人変更手続き

公的年金ではなく、生命保険会社や損害保険会社等、年金商品はたくさんあります。そんな年金商品の年金受取人が亡くなった時は、既に年金を受け取っている場合には、残りの受取る予定だった年金分が一括して支払われるという場合があったり、まだ年金受取前の場合には、掛けた分の掛け金が戻る場合などがあります。
受取り中の年金の死亡給付金の受取人の変更というのは、うっかり忘れがちです。なぜならば、年金を受け取る人より先に亡くなると思わずに指定する場合が多いからです。これを防ぐ為には、ご家族が亡くなった際には、その亡くなった人の相続手続きだけではなく、ご自身の契約内容や受取人等を確認する事が大切です。

●ゆうちょ銀行口座の現存照会

故人が銀行に口座を所有しているかどうか、又は所有しているのは知っているが口座番号等が不明の場合は、該当の金融機関に照会を行います。金融機関によっては、申し出た口座以外にも故人の口座があれば教えてくれる場合もあります。ただし、ゆうちょ銀行の場合は、相続の手続申請者より「現存照会」を行わない限り、教えてはくれません。
また、故人が婚姻等で苗字も届出住所も違う等の場合には、旧姓や旧住所での照会を行わないと分からない場合もあります。これは、ゆうちょ銀行に限らず、他の金融機関(銀行や証券会社等)にも同じことが言えますので、照会をかける際は旧姓・旧住所でも行なうことを忘れずにした方が良いでしょう。