【事例22】土地相続の問題点と順序

相談内容

「父が3年前に亡くなりましたが、相続の手続きをやっていません。今からでもできますか?」とお電話での問い合わせが始まりでした。
ご相談者Wさんは、「父が死亡し、その直後に母も亡くなり、1年後に長女も亡くなってしまい、それ以後、親の相続については兄弟と話をしていません。このたび、やっと手続きをしようと思って」という事でした。
相続財産は、預貯金等は無く、お父様名義の不動産(土地)だけで、Wさんは「不動産を子供の数で分けたい」とのお考えです。
Wさんとの話の中で、「共有分割で共有名義登録を行うのか?土地を面積で分割するのか、価格で分割するのか?建築や利用可能な区分けに分割できるのか?」などという疑問点や土地の分割方法・順番、諸費用の差についても質問がありました。

解説

相続の分割には、いくつかの分割方法がありますが、その中から「代償分割」の方法をご説明しました。
相続人間の話し合い後、測量と分筆を行い、相続登記する事が一番望ましいということになり、その話し合いを進めていった結果、4人の相続人のうち2人は「代償分割」という内容で決定しました。
その後、測量を行い具体的な図面が出来上がり、分割する土地の面積や形状を話し合い、分筆し、遺産分割協議書を作成し、相続登記をして、相続手続きが完了しました。

ポイント!

●現物分割・換価分割・代償分割

遺産の分割方法には主に3つあります。
現物分割…現物をそのまま配分。個々の財産そのものを分割したり、財産の種類で分ける等あります。
換価分割…財産を売却などし、金銭に換えて配分。
代償分割…現物を特定の人が取得し、その人が他の相続人に金銭等を支払う。

今回の事例の場合、相続財産が土地だけです。
預貯金だけであれば、解約して、現金を4人で平等に分ける事ができますが、土地を4つに平等に分けるというのは難しい場合が多いものです。今回は代償分割という方法を取りましたが、これは現物を取得した者が、他の相続人へ具体的相続分に応じた金銭等を支払わなくてはなりませんが、もし、支払うだけの金銭等が無かった場合には、代償分割という方法を取ることが難しい場合もあります。
現物分割・代償分割が難しい場合には換価分割されるケースも多いようです。

●測量と分筆

登記簿上で一つの土地を二つ以上の別々の土地に分けることを分筆といいます。分筆されて別々の土地になると、そのうちの一つだけを売却する等が可能になります。これを行うには隣接地所有者の境界立会いが必要となります。もし、境界確定測量により、登記簿上の大きさと違えば、更正登記をします。(登記簿上の大きさと、測量後の大きさによって、更正の登記が必要ない場合もあります。)その後、分筆する位置に境界標を設置し、分筆登記を行います。
測量はとても難しい為、土地家屋調査士等の専門家に依頼する方が良いでしょう。