【事例34】単元未満株式の相続手続

相談内容

X様から、お母様の相続手続についてご相談がありました。
まずは、不動産・銀行預金・有価証券など…財産関係の書類を一つずつ確認しながら、必要な手続きを洗い出します。お母様の財産のほとんどは、平成11年に亡くなったお父様の相続で受けたものということでした。書類の中には、証券会社の取引残高報告書や株主名簿管理人である信託銀行からの配当金計算書が含まれていました。お母様自身は株式投資には興味がなく、相続で受けたままの状態で株式をお持ちになっていたようです。すると、同じ銘柄であるにもかかわらず、取引残高報告書よりも配当金計算書記載の株式数の方が多く、証券会社に移管されていない単元未満株式があることが判明しました。
さらに、別の銀行でお父様名義の配当金計算書も見つかり、未だにお父様名義の単元未満株式が存在していることもわかりました。お父様は生前に該当銘柄の株式を売却されたそうですが、単元未満株式は残ったままで、相続の際に手続き漏れがあったようです。
お母様もX様も、既に売却済と聞いていた株式の配当金計算書が届くことを不思議に思いながらも、少額ということもあり受け取りや問い合わせをしていなかったということです。

解説

通常、上場株式は証券会社に預託されている為、その証券会社に相続する人の口座を開設し、その口座に移管することで手続きは完了します。ところが、単元未満株式など証券会社に移管されずに、株主名簿管理人である信託銀行が管理している株式は、信託銀行に対しての手続きが必要となります。今回は、証券会社と信託銀行に連絡し、お母様・お父様名義のそれぞれの銘柄毎の株式数、証券会社に移管されていない株式数を把握し整理することから取り掛かりました。
さらに、X様は、単元未満株式については買取り請求をしたいとのことでした。
そこで、それぞれに必要な書類を揃え、相続と同時に買取りの請求の手続きも行い、無事、単元未満株式の名義変更と買取請求をすることができました。

ポイント!

●単元未満株

売買の取引単位である株数に満たない株式を単元未満株と呼びます。

●株券の電子化にともなう手続き

平成21年1月5日に株券の電子化がスタートし、この日までに証券保管振替機構に預託されなかった上場会社の株券については、株主名簿管理人である信託銀行等の特別口座で管理されています。証券会社に預託せず株券のまま保有していた場合や、単元未満株式などがこれにあたり、証券会社に対する相続手続だけでは手続き漏れが生じる可能性があります。
そのため、株主名簿管理人である信託銀行等から送付される配当金計算書等で、その有無を確認し、信託銀行等に対して手続きを行ないます。また、信託銀行等の特別口座で管理されている株式の相続手続は、証券会社にある相続人名義の口座に振替することにより行いますが、相続人が証券会社に口座を持っていない場合は、証券会社に口座を開設する必要があります。単元未満株式の場合は買取請求をすることも可能です。
なお、平成21年1月4日以前に亡くなられていた場合には、特別口座が開設されていませんので、特別口座開設の請求書を提出し、特別口座を開設した上で買取請求を行うということになります。