【事例47】もし養子縁組していなければ…

相談内容

義母が亡くなったとのことで、Aさんからご相談をいただきました。
お話を伺うと、Aさんはご主人の実家に嫁ぎましたが、そのご主人は5年前に亡くなり、その後はご主人のご実家で義母と二人暮らしとなりました。義母はもともと病気を患っていたので、Aさんが面倒を見ていましたが先日、お亡くなりになれたとのことでした。
Aさんのお話では義父は既に亡くなっており、Aさんのご主人には姉と妹がいますが、二人とも遠方に嫁いでいるとのこと。ちなみにAさんとご主人の間にはお子様はいません。
今回の相談でAさんが一番心配されていたのが、ご主人の姉と妹は、実家の土地と家屋を売却することを考えているようで、Aさんは家から追い出されるのでないかということでした。まずは当センターで、相続人と不動産の調査を行いました。

結果

戸籍を確認するとAさんのお話の通り、義父は既に亡くなっており、子供は長男(Aさんのご主人)と長女と二女。
そして、義母とAさんは養子縁組をしておられました。またAさんが義母と暮らすご実家は、義父が亡くなった際に義母名義に変更されていました。
Aさんに、義母の相続人はご主人の姉・妹とAさんの3人であること、ご実家の名義は義母名義になっており、その相続手続には3人で遺産分割協議という話し合いしなければならないことを伝えました。そして、故人名義の不動産を売却するには、相続人全員の合意で名義変更や売却をする必要があり、ご主人の姉・妹がAさんの同意なく勝手に売却することはできないことをお伝えし、Aさんは一安心されました。
数日後に、Aさんから遺産分割協議が終わったとのご連絡をいただきました。

義母の財産はご実家の土地・家屋と預金で、預金は土地・家屋の価額とほぼ同程度の額がありました。話し合いの結果、Aさんは自宅の土地・家屋を取得し、遠方に住んでいる姉や妹は預金を取得することとなり、姉や妹の法定相続分に足らない部分については、Aさんが受取人となっている生命保険金により、代償金で支払うという形で合意されました。
今回のケースでは義母とAさんが養子縁組をしていたため、Aさんは今まで住んでいた自宅に住み続けることができましたが、もし養子縁組をしていなければ、住む家がなくなってしまう可能性があります。
お嫁さんやお婿さんなど血縁関係がない人に相続させたい場合は、養子縁組という方法を選択することも有効な手段の一つだという事を改めて学ばせていただいた事例でした。

ポイント!

●養子縁組

被相続人の「子」は第一順位として相続権がありますが、この「子」には、嫡出子、非嫡出子、養子、胎児が該当します。養子とは血縁関係とは関係なく人為的に法律上の親子としてのつながりが認められた子のことをいい、原則として当事者の意思により自由に行うことができます。
養子は養子縁組の日から養親の子として身分を有します。法定相続分は実子と変わりません。法定相続人以外の方に財産を渡したい場合は、遺言により遺贈するという方法が一般的ですが、養子縁組をするという方法を選択される方もいらっしゃいます。

Aさんのように、義父や義母と家族同様に暮らしていても、Aさんと義父や義母とは法律上の親子ではない為、相続権はありませんが、民法改正の議論では、Aさんのように相続人以外の親族で、無償にて被相続人の療養看護に寄与した者の貢献を考慮する為の方策も検討されているようです。