【終活コラム/第6回】お墓の承継は難しい?

2017.04.09 霊園
近年では承継者を必要としない納骨堂や合葬墓などが注目されることが多く、先祖代々のお墓など既存の墓地から納骨堂などに改葬する人も増えています。

確かに墓守となると、子供などがいない場合や先祖代々のお墓が遠方にあり継続的に供養し続けることが難しい人は、納骨堂や合葬墓などを選択することで、自分が亡き後の心配がなくなり安心できるでしょう。しかし墓守となる子供などがいる場合などは、“墓じまい” をしてしまうことで、自分たちの代以降、継続的に納骨の問題を考えなくてはならないというデメリットが生じることもあります。

先祖代々の墓など納骨先が決まっていない場合は、まず納骨方法から考えなくてはなりません。以前は墓地の建立が主な選択肢で、どこに墓地を購入するかという問題が主でしたが、最近では墓地の建立はもちろんですが、まず納骨方法を検討するケースも増えています。一般墓、納骨堂、合葬墓、海洋散骨、樹木葬など納骨方法の選択肢が増えているためで、その費用もまちまちです。例えば合葬墓であれば、安いところで数万円から数十万円、納骨堂は数十万円から百万円台、散骨は数万円から数十万円までが主な費用帯となります。それぞれ予算・条件・立地などから自分の納骨方法を選択し、その後納骨先を選定していきますが、納骨先の選定は思いのほか考えることが多く、負担に感じる人もおり、先祖代々の墓に入ってしまった方が新たな出費もないということで改葬を途中でやめる人もいます。

それでも「お墓は高いから」という意見もありますが、お墓は一度建立してしまえば、年間の管理料は発生しますが、長期で考えれば代々納骨堂に入るよりも費用がかからないこともあるため、よく考える必要があります。

墓じまいや改葬を検討されている場合は、お墓の承継は自分だけの問題ではなく、次の世代にも関係してくることですので、色々な側面から検討してみて下さい。

一般社団法人日本エンディングサポート協会 直江 花子