葬儀の種類

火葬式・直葬

通夜や葬儀・告別式をおこなわず、限られた親族などで火葬場へ行き、火葬のみですませることを 「直葬」や「火葬式」と言います。かなりの高齢で亡くなられ、葬儀に呼べる親族や知人がほとんどいない場合や、生後間もなく亡くなられた場合、経済的な理由で選択される方が増えています。

火葬のみとは言え、お亡くなりになられた場所から火葬場へ遺体を搬送し、火葬するだけではありません。一部の例外を除き、法律で死後24時間は火葬してはならないと定められているため、遺体の搬送・安置・納棺・死亡診断書の提出・火葬許可書の取得など、葬儀社への依頼が必要になります。

また、仏式の場合は枕飾りを設置し、旅支度をし、遺体を安置している場所や火葬炉にて僧侶にお経をあげてもらうこともできます。

家族葬・密葬

「密葬」・「家族葬」は、どちらも親族や親しい友人だけで行なう葬儀のことを言います。少人数でのお葬式の総称としてよばれることが多く、厳密な定義があるわけではありません。葬儀の流れなどは一般葬とほぼ同じで通夜、葬儀・告別式、火葬という流れで進行します。

一般葬

古来より受け継がれている宗教儀礼を中心とし、故人との最後のお別れのため、生前の故人とゆかりのあった人たちをお招きし、参列いただき、お別れをしていただく一般的な葬儀スタイルです。日本で最も多く行なわれている葬儀は「仏式葬儀」で、日本の葬儀の8割~9割を占めているといわれています。その他には「キリスト教式」「神式葬儀」や、各宗教における独自の形式もあります。

最近では、費用がかかるので「家族葬で」という方も増えていますが、実際にはお香典により、ある程度の葬儀費用はまかなえるため、結果的に家族葬とそれほど変わらなかったというケースも見受けられます。なぜ葬儀をおこなうのか、故人様の見送り方として最適なスタイルをしっかりと検討しましょう。

一日葬(ワンデーセレモニー)

通夜を行わず、葬儀・告別式から火葬までを一日でおこなう葬儀のことを一日葬(ワンデーセレモニー)と言います。通常は通夜から葬儀・告別式、火葬と二日間で行う場合がほとんどですが、近年の高齢化社会にともない、喪主様が2日かけて行うことが体力的にも厳しいという場合などに選択される方が増えています。

一般の会葬者はお通夜へ参列するケースが多いため、ごく近しい親族のみで行なうケースと、お通夜のようなスタイルで会葬者をお招きして一日葬として行なうケースもあります。

自宅葬

ご自宅で通夜、葬儀・告別式を行う形式です。かつてはご近所の人たちが手伝い合いながら、自宅で葬儀をあげるケースも多かったのですが、その手間や住宅事情、ご近所への配慮などからも近年は斎場や会館などの葬儀専用施設での葬儀が主流になっています。

社葬・団体葬

企業の創業者や代表、役員など、その企業において影響力の高い人たちの功績をたたえ、企業と遺族が一体になって行なう葬儀。葬儀の経費や運営は企業側が負担して行います。

会社の代表や役員など社会的な地位がある方の場合、人脈も幅広く、参列者の人数も多くなる事が予想されるため、遺族だけでは担いきれないのが現実です。また、社葬は企業の広報的な意味合いも持っており、親族やその会社の従業員のみならず、関係各所に広く告知をし、企業として代表や役員が亡くなった後でも万全な体制であることをアピールする場でもあり、社外的な広報の役割も担っています。それゆえに事前の準備にも時間をかけ、綿密に行なう必要もあるため、まずは近親者で密葬をおこなって、後日社葬やお別れの会・しのぶ会のようなかたちで行なうケースも多くなります。